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みなさまへ
 このたびは4月14日、16日と熊本で起きた大地震に寄せて、たいへん気にかけてくださり、心より感謝申し上げます。 
 個人的な報告をさせていただきますと、アトリエと住まいは震源地に近いのですが地盤も環境も安全な住宅地区だと知りました。 建物は25年前の古い倉庫を改造したもので頑丈なH鋼材で骨組みされていますので安全で、少し離れた小さな一軒家のクインテッセンスも奇跡的に無傷でした。そこには井戸水があり、ガスはプロパン、停電もせず、3日目には自宅で温かいシャワーを浴びることができるようになって、なるべく普段どおりの生活を保っています。
 ご存知のように地震の被害はまだら模様で、ほんの一本の道路の隔たりで様相は一変します。甚大な被害を被った方がたの境遇はいかばかりかと彼方を眺めては心痛みます。 そして翌日、地球の反対側のエクアドルでも巨大な地震に被災した多くの人々がいらっしゃり、人の命のために連日働き詰めの救助犬が過労死したことなど伝え聞くも、やるせない思いが募ります。
 私たちは向こう三軒両隣の最小単位のコミュニティで目を配って暮らしています。自宅の片付けに煮詰まると外へ出て、困った人の相談に乗ったり交渉をしてあげたりと、旅先や東京で培った数多くの経験を今は現実的に生かすことができて本望です。
 近くの公園や小学校ではすぐに炊き出しや全国からの支援物資の配給が始まり、近隣の皆様も、昼は家の片付けをして夜は自家用車の中で宿泊して、疲れたら避難所へ行ったり、親戚が訪ねて来たりと、それぞれの被害に応じて多様な生活を営んでおられます。ほどなく「がんばれ熊本」の横断幕をつけた他府県の車を多く目にし、ライフラインの復旧作業と震災ゴミの収集に奮闘しておられます。熊本の人たちはそのめざましい「復興させる人の力」をとても心強く感じて、「がんばろう」としています。
 私たちの送り出すものすべてが手仕事のため、コンピューター機器の転倒などでメールの返信やホームページの更新が遅れましたことをお詫びいたします。まだ揺れは続いておりますが、今は平常に暮らしておりますことをご報告いたします。
 
 みなさまの心温まるメッセージやご支援を賜りありがとう存じました。

津田晴美